【資料】日本のがん医療の現状と課題【資料】 日本のがん医療の現状と課題1. がんの治療とは [1]治癒(完治)を目指すもの →早期発見、手術による患部の切除 [2]治癒を望めないもの →抗がん剤・放射線治療による症状の軽快・延命 →→現在、この部分が置き去りにされている。 「治癒を望めないがん」が、見捨てられている! パターン1…「もう治療法は無い」・・・→「がん難民」 パターン2…ずっと洗面器を抱え、寝たきりになる パターン3…吐き気も副作用もなくてよかった!→でも、効果もなかった!・・・「気休めだけの抗がん剤治療」 2. 日本のがん治療の問題点 1-[2]がなぜ起きるのか (1) 抗がん剤治療は「おまけ」 ・医師の不足 抗がん剤治療は、現在ごくごく一部を除いて、外科医が手術後の「おまけ」のように担当している場合が殆どである。 一般的な病院の外科医は、週に1~2回手術を行い、週に2~3回外来担当をする。外来患者は1日30~40人。 手術をしてみればわかることだが、手術後は、執刀医が夜中まで経過を観察していることが多い。 すでに過労死一歩手前状態・・・抗がん剤治療は、「おまけ」になる。 →→抗がん剤治療の専門医(腫瘍内科医)が必要 ・「診療報酬」がない 抗がん剤は、一般的な薬と違い、「効果」と「副作用」の幅が大変に狭いため、治療が大変難しく、デリケートである。 とても「おまけ」で対応できるようなものではないのだが、抗がん剤治療を行う診療報酬はゼロであるため、 「腫瘍内科医」を、育成したり、配置したりできない。 →→診療報酬の見直しが必要 (2) 抗がん剤治療薬の承認の問題 ・承認の遅れ 欧米での承認から5年10年たった薬でも日本国内ではまだ「未承認薬」 ・承認の壁 日本国内で承認されている薬であっても、がんの種類により細かく規定されているため、効果を期待できる薬が使えない。 →→「エイズ治療薬の今後の取り扱いについて」…平成9年4月:厚生省薬務局 「迅速審査」「拡大治験」など、過去の対応を参考に!! (3) 国立がんセンターの問題点 日本の唯一のがん研究専門機関である「国立がんセンター」が、ただの「がん治療専門病院」になってしまって、 やっていることが中途半端である。 ◎問題点1: がんの早期発見を旗印に、高額な検査を受けられる人だけを優遇している。 (がんセンターのがん検診は、一人225,750円!そこでがんが発見された人は、優先的に手術を受けることができる・・・・ ・・・早期発見のがんの手術は、一般病院のレベルで十分) →→本来、国家予算もあるがんの専門病院ならば、「簡単ながん」の治癒ではなく、難しいがんの治療を専門的に行うべき。 ◎問題点2: がんセンターでありながら、「がん難民」を生み出している。 (日本国内で定められている「保険治療薬」を使った「標準的治療」だけを行い、それが終わると、「もう治療法は無い」という。) →→世界レベルを視野に入れた治療を行い、その成果を、全国に、迅速に伝えていくという作業こそが、国立の、がん研究機関の使命なのではないか? ◎問題点3: 国立がんセンターは、国民のための「がん治療専門医」を育成していない。 (現状では、がんセンターの患者になれた人にしか、恩恵はなく、国民全体への貢献がない) →→国立がんセンターは、世界レベルの「がん治療専門医」を育成し、全国のがん治療専門病院へ医師を派遣すべき・・・地方病院の「村社会」崩壊へ! 3. これからの課題 財源の確保・・・「人間のため」の予算獲得へ! 現状の「公共投資」=道路、橋、トンネル、ダムetc…ではなく、本当に必要なものへ予算が流れるように・・・医療従事者を始め、医療データシステムの構築や保守管理・運営など、箱ものより人的資源に税金が還流していくような考え方を! |